AtCoder Beginner Contest 222 G 問題 222
問題
提出解答
問題の概要
以下を満たすような正の整数 は存在するか? 存在するならば, そのような整数のうちの最小値を求めよ.
- が の倍数
※ 個のマルチケース
制約
解法
である. ここで, 求めるべきは となる整数である. ここで, 合同式について, 以下のような性質がある. ただし, を整数, を正の整数とする.
- が互いに素のとき,
このことから,
より, を
とすると,
になる.
剰余環 への自然な全射を とし, に対して, とする. このとき, 問題は を満たす整数を探す問題になる.
となる正の整数 が存在することと, であることは同値である.
(証明)
- となる正の整数 が存在するならば, とすると, より, well-defined で, で, である.
- のとき, の中には鳩ノ巣原理から, で, となる整数 が存在する. より, なので, である.
そして, 剰余環について, 以下の重要な事実がある.
は互いに素
よって, が互いに素でないときは を満たす整数 は存在しない. ただし, が互いに素なことと, が の倍数でないかつ, の倍数でないことは同値である.
ここから, は互いに素とする. このとき, となる整数 は存在する. さて, は積を演算として群になる. よって, 今, この問題は における ] の位数 を求める問題に帰着できる.
特に, 群について, 以下のような重要な事実がある. 以下ではそれを列挙する. ただし, を群, を の部分群とする.
の元 に対して, は の部分群である.
(Lagrange) が有限群であるとき, も有限群であるが, の元の個数 は, の元の個数 の約数である.
(Lagrange) に対して,
これらのことから, 以下のことを導ける.
に対して, は の約数である.
今, より, は の約数である. 今, は の約数のうち, 互いに素な整数の個数 であるが, は以下の様にして求めることができる.
の素因数分解を としたとき, である.
以上のことから, 以下のようにして解答を求めることができる.
- を上のように設定する.
- を求める.
- を の約数としたとき, を満たす のうち, 最小の整数が答えである.
計算量は, 1テストケースあたり, である.